公益社団法人 日本医学放射線学会

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2008年03月31日

死亡時画像診断に関する意見書

日本医師会「死亡時画像病理診断(Ai)活用に関する検討委員会」御中


日本医学放射線学会理事長 大友 邦

 

死亡時画像診断、いわゆるautopsy imagingについて、日本医学放射線学会として、意見書を提出させていただきます。

  1. 主としてX線CTを用いて行われつつあるautopsy imagingは、事故死症例などの死因推定を含めて、一定の有用性をもつと考えられる。
  2. 一方で、X線CTによるautopsy imagingを死因推定及び法医学・病理学の専門家の不足を補う方法として普及・一般化させていくには、以下に掲げる点について検討・整備しなければならない。
    • 特に法医解剖を補う手段として行う場合には、倫理・感染防護等の理由により専用装置を地域ごとに設置することが必須である。その場合には施設の放射線防護とともに撮像に関わるスタッフの被曝管理体制の整備が求められる。
    • 病理解剖を補う手段として医療機関内の既存の装置を兼用する場合には、倫理面での社会的コンセンサスを得る必要がある。
    • 装置の設置・運用・保守点検にかかる費用の負担、撮像・読影に関わるスタッフの必要数及び人件費について、十分な検討と予算化が必要である。
    • 撮像された画像の報告書に関しては、読影者の法的な責任の範囲について、十分な検討が必要である。
    • 装置の性能・撮像プロトコールの標準化と、撮像・読影に関わるスタッフに対する教育システムの整備について、十分な検討・整備が必要である。
    • しかるべき時期に、費用対効果及び適応についての検討が必要である。
  3. autopsy imagingの必要性のみが先行して議論され、以上掲げた問題点及び課題について検討・整備することなく、個別の医療機関及び担当スタッフが負担を強いられる事態は避けなければならない。
  4. いずれにしても本件は、日本医学放射線学会並びに放射線科医にとって重要な検討課題と考えている。貴会はじめ各方面で本件について検討される場合に、要請があれば委員等を派遣する用意がある。