公益社団法人 日本医学放射線学会

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2011年03月31日

原子力緊急事態における甲状腺への内部被曝予防のためのヨード造影剤使用について

日本医学放射線学会/日本放射線専門医会・医会 
合同造影剤安全性委員会


原子力緊急事態における甲状腺への内部被曝を予防するため、ヨード造影剤は安定ヨウ素剤の代替になるかとの問い合わせがある。

ヨード造影剤は、通常使用においてもショック等の重篤な副障害を生ずるリスクがあることから、救急処置対応が可能な状況下で用いるべき薬剤である。
またヨード造影剤中には微量の無機ヨウ化物が含まれているが、これは数十μg/mL未満とされる。一方、安定ヨウ素剤の服用量は、新生児においてもヨウ素量12.5mgであり、量的観点からヨード造影剤に含まれる無機ヨウ化物による代用は困難である。

以上のように、ヨード造影剤の適応外使用に伴う何ら益のない危険性に加え、その量的観点からも、ヨード造影剤は安定ヨウ素剤の代替になりうるものではない。