公益社団法人 日本医学放射線学会

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ガイドライン

2010年08月27日

エビデンスに基づく画像診断ガイドライン-2007

エビデンスに基づく画像診断ガイドライン-2007

日本医学放射線学会および日本放射線科専門医会・医会合同ガイドライン委員会(JRS/JCR合同ガイドライン委員会)編
 
(序文)
本 ガイドラインは日本医学放射線学会と日本放射線科専門医会・医会の共同策定事業(2004-2006年度)による。先に出版した画像診断ガイドライン -2003は網羅的・包括的ではあったが、必ずしもevidence-based medicine (EBM)の手法に基づいていなかった。一方、この画像診断ガイドライン-2007は「厚生労働省の診療ガイドライン作成のための指針」に沿ったエビデン スに基づく画像診断ガイドラインであり、領域毎にそれぞれ重要なテーマに絞って策定している。
委員会と策定委員は、決まった手順に従って、まずリ サーチクエスチョンの設定から始め、膨大な量の文献を系統的に拾い上げ批判的に吟味し、さらに構造化抄録の作成、アブストラクトテーブルの作成、ガイドラ イン素案の作成、推奨グレードの議論といった手間のかかる策定作業を行ってきた。次ぎにガイドライン原稿をまず内部評価委員が詳細にチェックし、その後 で、各専門分野の臨床医を含む外部評価委員の評価を受けて、ようやく公開の運びとなった。

本ガイドラインはまずは完成した順にWebページ 上で公表し、広くご意見を戴きたいと考えている。ガイドライン策定事業にはテーマを増やす、数年ごとに改訂する、という二つの作業が常に存在する。この3 年間の活動を通して、EBMガイドラインに対する理解が放射線科医の間にも広まったと考えるが、今後も策定事業を継承できるようなシステム造りが望まれ る。

医療訴訟や保険診療において診療ガイドラインの記載が不利に働く可能性が指摘されるが、ガイドラインはあくまで診療を支援するためのも のであり診療を拘束するものではない。実際に臨床の現場でどのように用いるかは,医師の専門的知識と経験をもとにした判断が要求される場合も多いことを付 け加えたい。
最後に、極めて多くの時間と労力を要するEBMガイドライン策定に取り組んで来られた全メンバーに心から感謝したい。

2007年6月
2004-2006年度JRS/JCR合同ガイドライン委員会
委員長 興梠征典

目次(リサーチクエスチョンのない項目は掲載の時点で順次追加)
I. 頭頸部 ― 副鼻腔疾患
1. 成人副鼻腔疾患の診断に単純撮影は有用か
2. 小児副鼻腔疾患におけるCTの適応について
3. 副鼻腔疾患におけるCTで造影剤は必要か
4. 良性副鼻腔疾患の経過観察にCTを行うべきか
5. 副鼻腔疾患(片側性副鼻腔炎を含む)でのMRIの適応はあるか
6. 副鼻腔疾患のCTにおける冠状断再構成画像(MPR:multiplanar reconstruction)または直接冠状断の至適裁断面は何か

II. 心臓・大血管
静脈血栓塞栓症の画像診断ガイドライン

はじめに
1.Research question :急性肺血栓塞栓症の診断に造影CTは有用か?
2.Research question : 急性肺血栓塞栓症の診断に肺血流シンチグラフィは有用か?
3.慢性肺血栓塞栓症の診断において肺血流シンチグラフィは有用か?
4.Research Question: 肺血栓塞栓症の診断で、肺血流シンチグラフィに肺換気スキャンを追加する必要があるか?
5.Research Question:肺血栓塞栓症に対する肺血流シンチグラフィにおいてSPECTを追加することにより診断能は改善するか?

III. 胸部 ― 成人市中肺炎
1. 成人市中肺炎の存在診断にCTは有用か
2. 成人市中肺炎の経過観察に胸部単純写真, CTは有用か
3. 成人市中肺炎の重症度判定に胸部単純写真、CTは有効か
4. 細菌性肺炎と非定型肺炎との鑑別にCT/HRCTは有用か
5. 成人市中肺炎と非感染性疾患の鑑別にCTは有用か

IV. 乳房
1. 乳癌検診においてデジタルマンモグラフィはアナログシステムと同等に有用か
2. FDG-PETは乳癌のスクリーニングに有用か
3. FDG-PET検査は乳癌術後の再発および転移の検出に有用か

V. 肝胆膵 ― 肝海綿状血管腫
はじめに
超音波(US)
1.Bモード超音波は血管腫の検出に有用か    
2.Bモード超音波で境界明瞭な高エコー結節は血管腫に特異的か
3.Bモード超音波検査中のエコー輝度の経時的変化は特異的所見か  
4.Bモード超音波で血管腫の典型的所見が得られた場合,他の検査は必要か
5.造影超音波は診断の決め手となるか           
CT
1.CTは肝血管腫の検出に有用か 
2.CTにおける典型的所見はあるか             
3.Dynamic CTは肝血管腫の確定診断に有用か    
MRI
1.MRIは血管腫の検出に有用か   
2.MRIの撮像法は何が良いか
3.血管腫の診断に,ガドリニウム造影剤によるdynamic MRIは有用か
4.SPIO造影MRIは,他の一般的な画像検査で非典型的所見を呈する血管腫を、悪性腫瘍と鑑別する際の決め手となるか
5.血管腫として非典型的な所見を示す腫瘤の鑑別診断には、MRIが有用か
確定診断
1.肝血管腫の確定診断に最も信頼性の高い検査法は何か
2.肝血管腫の診断に腫瘍生検は必要か
鑑別診断
1.USでの高エコーは血管腫に特異的か
2.MRI T2強調像での高信号は血管腫に特異的か
3.造影CT/MRIでの早期辺縁結節状濃染は肝血管腫に特異的か
4.造影CT/MRIでの後期全体濃染や中心部への濃染の広がりは肝血管腫に特異的か
臨 床
1.肝血管腫の経過観察は必要か
2.治療が必要となる血管腫はあるか

VI. 消化管
1. 食道癌に造影検査は必要か
2. がんのスクリーニング検査として消化管造影検査は薦められるか
3. 腹部CTは大腸癌の術前検査として必要か

VII. 泌尿生殖器 ― 前立腺癌
1. 初発前立腺癌での局所病期診断にMRIは有用か
2. 初発前立腺癌において骨転移検索のための骨シンチグラフィは必要か

VIII. 骨軟部

IX. 小児中枢神経

Research Question
Research Question PVLMRI-1
Research Question PVLMRI-2
Research Question PVLMRI-3
Research Question PVLMRI-4

X. 小児胸部