公益社団法人 日本医学放射線学会

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ガイドライン

2005年01月27日

乳がん検診に用いる乳房X線装置の仕様基準に関するQ&A

Q I.1
乳がん検診に用いる乳房X線装置の仕様基準について、次のことを教えてください。
  (1)仕様基準として要求されものは、何ですか?
  (2)どのような考えで仕様基準を作成したのですか?

A I.1
(1)乳がん検診に用いる乳房X線装置の仕様として要求される事項は、次です。

1.インバータ式X線高電圧装置を備えること。
2.自動露出制御(AEC)を備えること。
3.移動グリッドを備えること。
4.管電圧の精度・再現性
(a) 表示精度:±5%以内(25~32 kV)
(b) 再現性: 変動係数0.02以下
5.光照射野とX線照射野のずれ
左右・前後のずれ:SIDの2%
6.焦点サイズ
公称0.3 mmのとき、0.45×0.65 mm以内
7.圧迫板透過後の線質(半価層、HVL)
モリブデン(Mo)ターゲット/モリブデン(Mo)フィルタのとき
(測定管電圧/100)+0.03 ≦ HVL(mmAl) < 測定管電圧/100)+0.12
8.乳房圧迫の表示
(a) 厚さの表示精度  : ±5 mm以内
(b) 圧迫圧の表示精度: ±20 N以内
9.AECの精度
(a)スクリーン/フィルムの場合: 施設が定めた基準濃度±0.15以内
     (ファントム厚20、40、60 mmおよびこれらの厚さに対して
   100 mAs以下のX線照射が行える管電圧の選択範囲とする)
(b) 再現性: 変動係数0.05以下

(2)   次に示す考えで仕様基準を作成しました。

1.マンモグラフィ(乳房X線検査)を用いた乳がん検診および乳房検査を行う施設は、受診者に対して安全性、信頼性ならびに精度の高い検査を保証しなければならない。すなわち、低い線量で品質の高い画像を常に得ることが
重要である。
また、精度の高い検査の保証は、国際的なレベルでなければならない。
2.国際的なレベルで検査を保証するために、国際規格(ここではIEC*規格をいう。)および欧米ガイドラインを参照している。
*IEC: International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)
3. 受診者が検査で一番不快に感じることは乳房圧迫であり、国際規格でも乳房X線装置の特性から乳房圧迫に関する安全要求を特別に定めている、および適切な画 像を得るには様々な乳房を正しくポジショニング(位置決め)することが重要である。すなわち、安全かつ正確なポジショニングを行うには、特に乳房圧迫圧の 表示が要求される。
4.低い線量で品質の高い画像を常に得るためには、インバータ式X線高電圧装置、自動露出制御(AEC: Automatic Exposure Control)および移動グリッドの装備と様々な乳房形態(大きさと乳腺密度)形態に応じた適切な線質(ターゲットとフィルタの組合せ、管電圧の設定) が特に重要である。