公益社団法人 日本医学放射線学会

若手医師・学生の皆様へ

Subspecialties in Radiology

専門医資格がなぜ必要なのか?

 画像診断の放射線科専門医の資格を持った医師が診断レポートを作成すると、画像診断管理加算が病院に算定されます。これは通常の検査の保険点数に加算される形のもので、いわば放射線科医の技術料になります。自分の診断が保険の形で評価されていると言うことは大変励みになるものです。画像診断管理加算は「専ら画像診断を担当した経験を10年以上有する医師」にはその加算を受ける資格が発生するのですが、専門医試験に若い時期に合格してしまえば、医師としての経験が10年経過する前に画像診断管理加算が受けられるようになります。「若いのに結構できる先生ねぇ」ということになりますので、是非専門医の資格は早めに取ることをオススメします。日本では医師の技術料というものはまだ認められていませんが、今後は大変重要なこととして認識されてくることは間違いありません。

ぜひとも、若い先生の参加を!

 若い人にはたくさんの可能性があります。これから、何十年も医師として活躍されるみなさんには、いろいろな分野で活躍の場が豊富に用意されており、また世界も皆さんの活躍を期待しています。
 自分の持っている力を上手に引き出せるかは、環境が非常に大切になってきます。放射線科の世界は本当の意味で言葉通り、日進月歩の世界です。柔らかい頭がなければ、この急激な進歩にはついて行けません。群馬大学でPETの研究が始まった20年前に、誰が現在のようなPET施設の広まり・保険適応の状況を予想できたでしょうか。また、今では多くの施設に導入されているCTが開発されてから、まだ30年程度しかたっていません。それが現在では十数秒の息止めで全身のCT画像が得られる時代がやってきました。おそらく、10年後の放射線科の世界を正確に予言できる人は誰もいないでしょう。
 放射線科の世界には若いみなさんが切り開いていく道が残されています。これからの医療を担うみなさんが自分たちのやりがいのある仕事ができる環境を放射線医療が提供します。ぜひとも、我々といっしょに患者さんに役立つ医療を行い、もっと長い目でみて患者さんの役に立つような研究をしていきましょう。
 どの施設の放射線科医もみなさんの力を期待しています。下記連絡先ではみなさんの質問や研修先の相談を受け付けています。お気軽にご連絡ください。

平成18年2月吉日
遠藤 啓吾

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放射線科医になるということ:目次