公益社団法人 日本医学放射線学会

若手医師・学生の皆様へ

放射線治療について

最新の放射線治療

 近年、放射線治療は治療機器・技術の格段の進歩により、従来よりも高い精度の治療が可能となりました。CTを元にした3次元治療計画と3次元原体照射が標準となり、多くの施設で体幹部定位放射線治療(いわゆるピンポイント照射)や強度変調放射線治療(IMRT)も可能となりつつあります。これらの技術により、従来よりも副作用を低減しながら、高い線量を集中的に病巣へ照射することで一部の疾患では手術に匹敵するような成績が期待できるようになりました。また、粒子線治療(陽子線・重粒子線)の施設が国内で増加しており、一部の疾患は健康保険の適応となったことでより多くの患者さんに提供できるようになりました。

若手医師・学生の皆様へのメッセージ

 放射線治療はX線発見の直後から行われており100年以上の古い歴史があります。緩和的な治療から根治治療までその適応は幅広く、多くの患者さんに直接接しながら、それぞれの状況に応じて最適な治療を行えるのが放射線治療医の醍醐味です。また、近年では多くの施設で高精度放射線治療(強度変調放射線治療や定位放射線治療)ができるようになり、より安全で安心な治療が可能になりました。治療の高度化に伴い治療計画に要する時間も増えましたが、これも技術革新により徐々に負担が軽減されています。できるだけ多くの学生・研修医のみなさんに癌治療・放射線治療について知ってもらえたらとおもいます。そして、我々と一緒によりよい放射線治療を提供していきましょう。