公益社団法人 日本医学放射線学会

若手医師・学生の皆様へ

核医学について

PET/CTと核医学内用療法

 PET/CTは近年CT、MRIと並ぶ重要な診断方法となりました。日本全国の380ヶ所を超える施設に設置されています。もっとも多く行われているFDG-PET/CTの特徴は、CTによる従来の形態的診断に加えて、癌細胞のブドウ糖代謝測定による機能的診断方法として、癌の全身の広がり、悪性度評価、治療効果判定に役立つことです。最近では大血管炎の活動性評価など癌以外の疾患にも利用されています
 イメージングに基づいた核医学治療(theranostics)が国策として推進され、第3期がん対策推進計画に初めてアイソトープ内用療法についてもりこまれました。アルファ(α)線による前立腺骨転移の治療も急速に普及しています。

若手医師・学生の皆様へのメッセージ

 従来核医学と放射線診断は別々のイメージでしたが、最近の若手放射線科医はPET/CT、脳血流SPECTなどをCT、MRIと並行して勉強しています。全身の形態のみでなく、機能診断のエキスパートになれるのが放射線科の魅力です。近い将来人工知能(AI)が発展し、放射線科専門医が使いこなせば多くの読影を短時間で行うことや、人間の目だけでは判断が難しい細かい病変の診断も可能となるでしょう。イメージングに基づいた核医学治療(theranostics)により、静脈注射でがんの全身の転移巣の治療も進歩しています。放射線医学の輝かしい未来にむけて共に学びましょう!!放射線科のドアをノックしていただくのを待っています。